青い薔薇のブログ

僕は都立小山台高校1年16才で2015年9月27日にいじめが原因で自殺した。死後都で初めての調査委員会が設置され1年8ヶ月もかかった末に不当な調査結果が出された。遺族は再調査を申し入れ10ヶ月後に都知事の再調査が決まったが未だに再調査は進んでいない。2018年9月の命日の3年の時効を前に遺族は苦渋の最後の決断として都を提訴。僕が生きている際の学校の対応の落ち度、僕の死後の学校の不誠実な対応、都教育委員会が遺族を怒鳴り恫喝したり黒塗り書類を見せるなどの理不尽な行為、調査委員会と委員の問題点、遺族は闘っている

2017年2月15日共同通信



共同通信 47NEWS



【特集】圧力理由に黒塗り開示の壁

高1自殺、遺族知る権利の行方
2017/2/15 16:022/15 16:03updated

東京都立小山台高1年の男子生徒=当時(16)=が2015年9月、JRの駅で飛び込み自殺した。いじめの有無を知りたい遺族は情報公開請求したが、都教育委員会は「都教委に設置した有識者らの調査部会が、干渉や圧力を受ける恐れがある」として教員や友人への聞き取り調査結果を黒塗りで回答したことが昨年末明らかになった。
 都教委は「調査途中のため、部会が結論を出すまで待ってほしいという趣旨だった」と説明するが、いじめ問題に詳しい専門家は「遺族の知る権利を制限するのは異例で不当な判断」と指摘。事実を知らされない遺族の心情を思うと、取材記者としてやりきれなさが募る。遺族は不服を申し立て、都個人情報保護審査会が昨年11月から開示方法の再検討を始めている。
 ▽「将来は科学者に」
 男子生徒は高校で学び始めて半年もたたずに命を絶った。「人の役に立つ科学者になりたい」。読書が趣味で、小学生のころから研究職に憧れていた。高校入学後、生物部と弦楽部に所属した。進学希望先は幼少期を過ごした地の北海道大だった。
 夏に開かれたクラス対抗の合唱コンクール。男子生徒は「一生懸命やっても下手だと注意される」と家族に漏らしていた。その後「学校に行きたくない」とこぼしたものの休まずに通学した。自殺する前日には、「クリスマスにライブをやるから」と笑顔を見せていた。
 ▽真っ黒な紙
 男子生徒は一昨年9月27日、山梨県大月市JR中央線大月駅のホームから飛び込み、特急電車にはねられ死亡した。生徒のツイッターや自殺後に級友らへ実施したアンケートに「孤立していた」などとトラブルをうかがわせる記述があり、都教委は昨年1月、第三者による調査部会を設けた。
 遺族は2月、高校側が調査結果を提供しないため情報公開を請求。しかし都教委は4月、高校の資料24点の全体や一部を黒塗りにして開示。うち9点について「外部からの干渉や圧力により調査部会の自由な意見交換が妨げられる恐れがある」などと説明した。
 教員への聞き取り調査結果は、資料名が分からないほど紙全体が黒く塗りつぶされていた。
 ▽知りたいだけ
 開示された資料から、自殺直前の一昨年9月に4回、保健室を訪れ頭痛などを訴え、2回早退していたことが分かった。アンケートに「悩みを抱えていそうだった」と記した同級生もいた。だが担任らは生前の状況について遺族に何も知らせてくれなかった。
 「学校は助けられなかったのか。黒塗りの部分に、死に追い込んだ何かがあるのでは」。遺族は「息子はなぜ死ななければいけなかったのか。それを知りたいだけなのに」と訴えるが、実現せずにいる。
 2011年に起きた大津市の中2男子いじめ自殺で市の第三者委員会副委員長を務めた渡部吉泰弁護士(兵庫県弁護士会)は「いじめ防止対策推進法は行政が被害者側へ適切に情報開示するよう定めており、都教委の対応は不合理だ」と話す。
 話を聞きに訪れた小山台高の男子生徒の遺族宅。生徒の勉強机や教科書はそのまま残され、命を落としたその日に持っていたバッグも大切に保管されていた。生徒だけがもう帰らない現実、埋められない遺族の悲しみ。胸が痛んだ。
 何をしても、生徒の命が再び輝かないことは、遺族が一番よく分かっている。だからこそ、真実が知りたい。せめてそれだけを、亡き子に報告したい。切実な願いを受け止められる社会にしていかなくてはならないと感じた。(共同通信=大阪社会部・川嶋大介)