青い薔薇のブログ

僕は都立小山台高校1年16才で2015年9月27日にいじめが原因で自殺した。死後都で初めての調査委員会が設置され1年8ヶ月もかかった末に不当な調査結果が出された。遺族は再調査を申し入れ10ヶ月後に都知事の再調査が決まったが未だに再調査は進んでいない。2018年9月の命日の3年の時効を前に遺族は苦渋の最後の決断として都を提訴。僕が生きている際の学校の対応の落ち度、僕の死後の学校の不誠実な対応、都教育委員会が遺族を怒鳴り恫喝したり黒塗り書類を見せるなどの理不尽な行為、調査委員会と委員の問題点、遺族は闘っている

僕の命が喪われて今日で2年。1年8ヶ月経ってやっと調査委員会の報告書が出た。

僕の命が喪われて今日で2年になる。
昨年1月25日に東京都教育委員会いじめ問題対策委員会調査部会が立ち上がって1年8ヶ月。9月13日にやっと遺族に報告書を見せた。昨日9月26日午前に都庁で、教育委員会と調査部会からの記者会見があり、そのあとに遺族と弁護士の記者会見を行った。
調査部会はあれだけ『中立公平』と言っていたのに、報告書に、生徒の先生の聴き取りだけを元にいじめの判断が書かれていて、【家族がいじめと指摘した詳しい内容、本人が心身の苦痛を感じているTwitter、本人が学校で心身の苦痛を感じていたことを家族に話していた家での会話】を書いていなかった。非常に偏った不公平な記載である。
家族がいじめと指摘したのは15箇所以上なのに、5個しかいじめと検討していなかった。家族は32回要望書を出したが、報告書の資料としても1枚も添付されていなかった。家族と代理人がいじめと指摘して調査してほしいと要望したものが、きちんと検証されていなかった。1年8ヶ月(80回も集まって)も時間がかかったのに、それしかいじめとして検証してなかった。
調査は不十分で、検証し直すべきだ。
いじめと検討したことも、合唱コンクール前後のこと、水泳大会前後のこと、生物班のLINEで6人から『侮辱的な呼び名●●●で10回以上連呼されている行為』などについて、
【本人が嫌がっていてやめてほしいと言っていたのに、生徒の聴き取りから「いじめのつもりはない」と言っているから、本人が心身の苦痛を感じていたとは言えない】と書いてあった。いじめの判断の根拠がおかしくつじつまが合わない。委員の思い込みとこじつけと感想で書かれている。 
生徒の聴き取りは全面的に信用しているのに【家族の主張は信用性に疑問がある】とくり返し書かれていた
生物班のLINEで6人から『侮辱的な呼び名●●●で10回以上連呼されている行為』については、本人がこの被害を受けて、生物班に本人が注意しに行った帰りに自殺したくなったとTwitterに書き、翌日に学校を休みたいと言った一連の流れを家族はいじめと指摘したのに、バラバラにされて『侮辱的な呼び名●●●で10回以上連呼されている行為』のみをいじめかどうかと検討しているのも、作為的である。本人の死後に、生物班でクワガタに【本人の侮辱的な呼び名●●●】を付けようそうしたらもう死なないからと話していることは、いじめと検証してもいないし、報告書に書かれてなかった。
家族が血を吐くような思いで復活解除したTwitterは、本人と家族のものでありプライバシーである。副校長は『家族の許可を取りました』と嘘をついて勝手に印刷して教育委員会に提出していたことが昨年4月の家族の聴き取りの際に発覚した。報告書にはいじめと関係ない、ゲームや食事のことなどを大量に羅列して、家族がいじめと指摘した箇所を霞ませ隠そうとしている。家族が血を吐くような思いで復活させたTwitterを学校と報告書に悪用されてしまった。
なんという偏った不公平な書き方であり悪意がある。
本人は学校のさまざまなことに心身の苦痛を感じて、数々のことに追い詰められて、ついに死んでしまった。
本人が生きている時に担任が知っていた学校での数々のことと、学校で本人が出していた数々のサインを、生きている時に担任が一度でも家族に連絡してくれていれば、本人の命を守れたはずだ。自殺を防げたはずだ。それなのに、担任の責任については報告書にほとんど書かれてなかった。担任の責任は学校の責任である。
報告書に小山台高校の名前が記載されてなかったことは、本人の死を隠そうとする無かったことにする表れで、学校の責任の所在は明らかにされない。
家族は本人が学校で悩む苦しんでいて、ついに死んでしまった原因を明らかにしてほしいと昨年1月に調査部会を立ち上げ調査を依頼した。死んでしまった本人の身になって、本人の目線に立って調査してほしいと何度も何度もお願いしてきた。
しかし調査部会は教育委員会の元にある内部機関で、「第三者委員会」という名前だが、まったくの「第三者機関」ではない。教育委員会も調査をされる側なのに、調査部会の会議は委員8人だけではなく、毎回10人の教育委員会が参加して、議事録も教育委員会が作っている。とても『中立公平』とは言えない。生徒の聴き取りは2対1で実施しているのに、その昨年4月の家族への聴き取りも、調査委員8人と教育委員会10人の、18対1という全く配慮のない差別的な、され方をした。
昨年1月当初は期待していたが、時間が経つごとに、期待することが間違っていたことに気付き、最後にやはり裏切られてしまった。途中から期待してなかったにしろ、ここまで酷い書かれ方をするとは思っていなかった。
この2年、姿も見えなくなってしまい話すことができなくなった本人が、家族にどうにかしてくれなんとかしてくれと訴えているので、本人の代わりに家族が一生懸命話しをしてきた。その本人の想いは調査委員に伝わらなかった。
それだけでなく、本人の死の原因は一切触れず、学校が自殺を防ぐためにどうすべきだったのか、今後同じように命が喪われないためにどうすべきかも、報告書に一切書かれてなかった。本人の身になって、本人の目線に立って調査されたものではない。生きている生徒の960人のうちの1人ではなく、たった1人の本人の命を守るために、学校はどうすべきだったのか、今後どうすべきかの提言もなかった。命を喪った本人のための調査とは思えない。
がっかり、落胆失望し、これでは、とても本人に見せてやれない。ほんとうにほんとうに悲しい。
報告書にはいじめの判断として、2つの相反する判断が書かれていて、【今後の議論の判断に示す】とあり、坂田部会長が9月13日に家族に『我々が調査した範囲では、限界があった、調査し尽くしたとは言えないので、いじめがなかったとは言えない。』と説明しているように再調査が必要だ。そして家族と代理人がいじめと指摘して調査してほしいと要望したものが、きちんと検証されていなかったことは、調査は不十分であり、いじめの検証もし直すべきなので、知事による再調査をお願いした。
家族は本人を喪ってからのこの2年、学校や教育委員会の不当で理不尽な数々の対応に苦しめられてきた。それらすべてを書いてある訳でもなく、それらについても、報告書の提言に厳しく書かれていない。
これは当事者だけの問題ではない。今後同じように生徒の命が喪われないように、ほかの遺族が、同じように学校や教育委員会から、二次被害、三次被害を受けないようにするためにも、家族は知事による再調査を求めた。
 

    昨年の1年記念式(1周忌)に

 家族が本人のために用意した青い薔薇